ジャッキー・ロビンソンも元軍人だった。 「モハメド・アリは正しかった!ベトナム人は、黒人に対して何もしてない!俺らを殺そうとする国のために、殺人犯になる必要はない!」 「戦争に行かなくても、黒人は殺される可能性高いしね」 「ほんまそうやで。毎日、白人至上
更新情報
第59回 今、黒人がするべきこと
「息子が研修でフロリダに行くらしい」」 「えー、そうなん?大丈夫」 「断れって言うてん」 「ふーん」 「黒人にフロリダ行けっていう会社なんかやめてまえーっ!」 「まぁ、親としてはそう思うよね。気を付けてって言うしかないけど・・・」 「スティーヴィー・ワンダー
第58回 Battle ~南部白人議会の戦い~
「ジャクソン(ミシシッピ州)が、白人だけの裁判所を作るの?」 「ジム・クロウに逆戻りや」 「裁判官は選挙じゃないねんて」 「なんやそれっ!議員が裁判官決めるってこと?」 「みたいね。そんなことできるん?」 「連邦が許可するはずないやん」 「許可したらアメ
第57回 賠償 Reparations
「サンフランシスコは6月の会議で、黒人ひとり当たり、5ミリオン(500万ドル)の賠償金支払いを提案するみたいよ」 「5ミリオンあったら、色々な人にお礼して、自分も生きていけるよなぁ」 「賠償することに反対してる人もおるねんて。自分たちも職を失って大変やのに、
第56回 映画「へブライから二グロへ」をめぐって
「なんでカイリーが謝らなあかんねん!」 「映画の紹介しただけやん!」 「カイリーは自分自身のヒストリーを学ぼうとしただけやで。俺もこの映画を観たいわ」 「黒人なら誰もが観たいんじゃないの?私も観たいけど」「俺らは映画紹介しただけで謝罪させられるけど、あいつら
第55回 アフロは愛と勇気のあかし
イメージ 「おっ!可愛いアフロベイビー。トゥウィンズ(双子)かな?」 ダンナと買物をしている途中、ショッピングカートの上にチョコンと座った、アフロヘアの二人の姉妹を発見。3歳くらいかな? 一度は通り過ぎたけれど、ダンナが突然、二人の方へ向かって歩き
第54回 いよいよ中間選挙2022
「男がナンシー・ペロシの家に侵入したらしいよ」 「なんで議員個人の家を襲うねん!あいつら、頭おかしい!」 「中間選挙が近付いてるしなぁ。おかしいのが出てくるよね」 「次の大統領選で共和党が政権を握ったら、俺ら、こんな国におられへんで」 「確かに・・・これま
第53回 極私的なヴィ―ガン挑戦記
※特定の団体、あるいは必ずしもヴィ―ガンを推奨する目的はありません。あくまで極私的な身近で起きているヴィ―ガン生活のことを書きました。 「ゴリラは草食やのに、すごい強いやんっ!」 「そうやね」 「つまり肉は食べなくてもええってことやん!」 「あぁ、そうかもね
第52回 日本人が人魚姫になって欲しかったん?
「黒人のハリーがリトルマーメイドの主人公になって、SNSが炎上してるねんて」 「人魚やん」 「そこやねんなぁ」 「黒人の成功を妬んで、邪魔ばっかりするけど、歌もスポーツも俺らが這い上がってきたのは、黒人の才能と実力やから仕方がないやん」 「・・・日本人も文句言
第51回 白人が黒人から奪ったもの、スケート
ローラー・ドリームス(Roller Dreams:2017年)というドキュメンタリー映画がある。 この映画には、黒人のタレント、アイデア、文化、自由、権利が、白人社会によって、いかに奪われるかが描かれている。 ローラースケートを通して、アメリカの人種差別の現実が理解でき
第50回 NFLプロテストとトランプ<後編>
↑ 前編です。 2016年のシーズン終了後、コーリン・キャパニックは49ersとの契約を終了した。 フリーエージェントになったものの、声がかからない。 候補にあがったシーホークスとの面接では、「抗議運動を継続する」と答えるや否や、終了した。 コミッショナ
第49回 NFLプロテストとトランプ<前編>
「なんでグラディスは国歌斉唱を引き受けるねんっ!!!リハーナ(Rihanna)は辞退したやん!!!ううぉ~っ!!!」 「スーパーボールは国民的行事やからな。ミュージシャン人生で、一度は歌いたかったのはわかるけど!」 「でもキャパニックは黒人のために戦って、選手生命
第48回 政治家の欲望と銃犯罪~スティーブ・カーの叫び~
「またシューティング?」「う~ん・・・。今度はテキサス州」 「くそっ!だからテキサスは嫌いやねん!シューティングばっかりや!」 「今度は子供たちが被害者やねん・・・」 「なんで子供たちが大人のせいで殺されなあかんねん!あいつら議員は、正しいことができんのかっ
第47回 シューティングは終わらない~Buffalo Supermarket in Racist Attack~
「日本人はバッファローのシューティングのこと知ってるの?」「ニュースに出てるから、知ってると思うよ」「どんな風に思ってるの?」「みんな黒人に思いを寄せてると思うよ。でも、人種差別や事件の深いところまでは理解できないかも・・・」「そりゃそうやな。俺らに憎し
第46回 あれから2年~バイデン&ハリス政権に思う~
「近所に子供が少なかったこともあるけど、同級生がほとんどやなぁ」「みんな同じ苦しみの中におるから、俺ら黒人の結束力は強いで。ダディーの葬式のときも、近所の友達、全員来たやん」「確かに。集合写真の人数、すごいよね。みんな、その町から出ていかへんの?」「おれ
第45回 黒人が黒人を殴るのは見たくない!
ダーリン 「あ~あ、ウィル・スミスはアホ嫁のために、自分のキャリアめちゃくちゃにしたな~」 るるゆみこ 「暴力とはほど遠い人が、あの瞬間、なんかにとりつかれたよね~」 ダーリン 「ジェイダは息子の友達と寝てんで」 るるゆみこ 「うぇ~!
第44回 追悼・ジミー&シル・ジョンソン
「…Oh…Sh*t……」 パソコンの画面を見ていたダンナがついぶやいた。 2022年2月1日、シカゴのブルーズマン、ブルーズの巨匠のひとり、ジミー・ジョンソン(Jimmy Johnson)が93歳で亡くなった。 寂しいなあ・・・。 去年の暮れに、心筋梗塞で倒れて入院したこ
第43回 名優シドニー・ポアティエの生涯
ダーリン 「Up Town Saturday Night(アップタウン・サタデー・ナイト)にする?あ~、Let's Do it Again(レッツ・ドゥ・イット・アゲイン)も、もう一回観たい気がするな~・・・」 るるゆみこ「ん~、昨日観たしな~。」ダーリン「そうやな~・・・やっぱりUp Town Saturd
第42回 映画「ドリーム」の原作と現実 ③
しかし宇宙開発に対する意見は賛否両論だった。 アポロ11号打ち上げ前の7月14日、ケネディ宇宙センターの前には、抗議のために百万人以上の人々が集まった。そこには、真っ白な美しいロケットを示す雌馬と、貧困を示す木製の馬車があった。政府はNASAの宇宙開発に2
第41回 映画「ドリーム」の原作と現実②
キャサリンが眼鏡をかけ始めたのは、子供の頃ではなく、かなり年をとってからだった。 また、自動車通勤は、ドロシーとメアリーではない、別の同僚としていた。 ランチをとるのはオフィスだった。 マネージャーのヴィヴィアン・ミッチェルは実在しない。 NASAの白
第40回 映画「ドリーム」の原作と現実①
先日、私の愛車の窓が閉まらなくなった。 ダンナは車屋へ行く前に、YouTubeでその原因と、必要な部品の値段まで調べていた。ドアの内側の、一番底にあるモーターを取り出し、パーツを分解しなければならないので、許容できる値段であれば、修理を依頼してもいいな、と思
第39回 映画「サマー・オブ・ソウル」を見て
映画、「Summer Of Soul」を観た。 今から半世紀以上前、1969年の夏。ニューヨークのハーレムで開催された、「ハーレム・カルチュラル・フェスティヴァル」のドキュメンタリーだ。 ゴスペル、ソウル、カリビアン、ブルース&ジャズ、タレントコンテスト、計6回行われたこ
第38回 ザ・キング・オブ・コメディアン 後編
↑ 前半はこちらです。 バーニー・マックはハイスクールを卒業した直後、ガールフレンドのロンダの妊娠がわかった。 19歳でもやるべきことを知っていた。おばあちゃんから正しい生き方を習っていたからだ。 ロンダと結婚し、家族を養う。まずそのことにフォーカスする
第37回 ザ・キング・オブ・コメディアン 前編
るるゆみこ 「R.ケリーの有罪判決に対して、デモが起きてるねんてー」 ダーリン 「自業自得やん」 るるゆみこ 「少女に手出さんでも、他になんぼでも女はおったやろうに」 ダーリン 「よりどりみどりやん。世界のスーパースターやで」 るるゆみこ
第36回 ローリングストーンズが歌う黒い天使♪
だんな 「お、アンジェラ・デイヴィスや!」 ドキュメンタリー番組を観ていたダンナがつぶやいた。画面には、大きなアフロ姿の女性が映っていた。 だんな 「黒人の髪の毛は軟らかくて、ナッピー(縮れ毛)やから、ちゃんと手入れせんかったら、毛先がプチプ
第35回 アリサとジェニファー
「おれの家族で“I love you”って言う人なんかおらんかったで。おばあちゃんは、おれのことを愛してくれてたけど、そんな言葉一度も聞いたことない」 「そうなんやー。日本人は言わへんで」 「なんでやっ!おれは子供ができたときに、その言葉の大切さに気付いたから、
第34回 五輪とスーパーボウル
「アップルジュースがええ?今日はマンゴピーチもあるで」 「ご飯終わってからにするわ」 「食事とジュースはセットやろ?」 「食事のときはお茶か水ちゃう?ジュースやったら食べ物の味がおかしなるやん」 「へー・・・。のどが乾いたらクーレイ(クール・エイド)、食
第33回 新しい祝日 ~ジューンティーンス~
「今年は独立記念日の花火が復活するねんてー」 「独立記念日?誰が自由になってん?おれらじゃないで」 「・・・あー、そうやんなぁ・・・。今年もあそこのコーナーから花火見れるかなぁ?」 「おれらは奴隷から解放されても、ずーっと奴隷のままやん」 「そのとおり!
第32回 タルサ人種虐殺 Tulsa Race Massacre
「うぁ~っ!」「どうしたん?」 「仕事行く前に、台所片付けていったのにー!皿がまた山盛りやん!ちょっとくらい手伝ってくれてもええやー
第31回 バイデン新大統領100日
「マンゴにする?トロピカルも美味しそうやなぁ・・・」「どっちも買う?」「どっちも買おか?」 「うん。私ら、お金あるで」「そうやん。俺ら、金あるやん」 われわれは、2種類のシャーベットを抱え、踊りながらレジへ向かった。 3月半ば、パンデミックの支援金として、
第30回 ジョージ・フロイドの死がもたらしたもの
「よっしゃ!デレック・チョーヴィンが有罪や!」 2021年4月20日、デレック・チョーヴィン裁判。ミネソタ州ミネアポリス警察の元警察官、デレック・チョーヴィン被告に対し、第2級殺人、第3級殺人、故殺のすべての罪状に対し、有罪判決が言い渡された。 2020年5月25
第29回 グウェンドリン・エリザベス・ブロックスの詩
「見てみろ!この美しい景色を!シカゴなんか茶色やで」 散歩に行くたびに、ダンナはシアトルの緑の美しさに感動する。 「はじめてシアトルに来たとき、おれ、びっくりしたでー。天国かと思った」 ノースウェストは針葉樹林が広がり、真冬でも緑がいっぱい。春にな
第28回 アリゲーターレコード50 周年
「ヘイ、メーン・・・ディオン・ペイトン(Dion Payton)が亡くなったで~」 いつも明るいリッキーが、どんよりした声でメッセージを残していた。 3月31日、シカゴのギターリスト、ディオン・ペイトンが亡くなった。71歳だった。 今回のようにシカゴのブルーズ村で事件が
第27回 ソウル・トレインの遺産
「このダンスは、ママに教えられたなぁ・・・」「ペンギンは簡単やからお前も踊れるんちゃう?あ、ムリか・・・練習やな」「あー、これはなんていうダンスやったかなー?これは上級者向けや」 YouTubeでソウル・トレイン(Soul Train)を観ていると、ダンナは突然踊り出す。
第26回 ハリエット・タブマンが勝ち取ったもの
〇2月はブラック・ヒストリー月間「この国は俺らのことをリスペクトしないけど、この国をつくったのは俺らやっ! 俺らは、あいつら白人よりも先に、この国におったんじゃー!!! ピラミッドをつくったのは俺ら黒人や! ロックもブルーズも、全部、黒人がつくった音楽
第25回 女優シスリー・タイソンが遺したもの
「最近のリアリティショウは嫌いや。こいつら、金持ちになることや有名になることしか考えてない」 と言ったきり、ダンナはこれらの番組を一切観なくなった。 ここ10年くらい、ヒップホップアーティストや黒人のお金持ちの日常を追う、リアリティ番組が多くなった。 リア
第24回 大統領就任式2021
「あの男がホワイトハウスから出て行ったで!」 仕事を終えて帰ってきた私に向かってダンナが叫んだ。「シカゴの女子はみんな、カマラ・ハリスを真似て、コンバースを履いた写真をフェイスブックに投稿してるねん」 カマラ・ハリスは、真珠のネックレスをしているときでも
第23回 わが家の寝室事情から
「私の椅子、ベッドルームに移してもええかなー?」「今度は何やねんっ!!」「リビングは明るいし、うるさいから、ベッドルームで寝たいなーと思って」 コロナのことや、ダンナのアレルギー症状など、ちょっとした事情があり、かれこれ半年近く、私はリビングの椅子に、足
第22回 ハッピーニューイヤーへの祈り
「3(スリー)、2(トゥー)、1(ワン)、ハッピー・ニュー・イヤー!!!」 そこにいる人たちは互いにハグをし、新年を共に喜びあう。 ステージでは、バンドが蛍の光を演奏し始める。 アメリカのクラブで迎える新年は、とにかく明るく、エネルギーに満ちている。 今年
第21回 クリスマス・プレゼントという奇跡
「これ、姉からプレゼント」「なんで?」「えーっと・・・家族になったから?」「・・・へー・・・」 私の姉からのプレゼントを、初めて受け取ったときのダンナの反応だ。「これは、姉のお店の人から」「なんで、お店の人がおれにプレゼントをくれるの?」「んー・・・、あ
第20回 もうじき クリスマス
「父方のグランマの家には、真っ白なクリスマスツリーがあってな、そのツリーの下には、回転するたびに色が変わるライトが置いてあるねん。 ツリーの色が、赤、緑、黄色、青・・・ってクルクル変わって、綺麗でなぁ・・・。 おれ、あの家にはほとんど行かなかったけど、ク
第19回 ルビー・ブリッジズが6歳だったとき
〇 強い女とは このアメリカに、黒人女性副大統領が誕生した。 二世代にわたる、二人の草分けの女性がひとつになった瞬間だ。 バイデン&ハリスが政権をとることが決定した翌日、ダンナがケンおじさんと電話で話をしていた。「おじさん、カマラ・ハリスのこと、どう思う
第18回 祝・トランプが黒人たちに気がつかせてくれたこと
「ジョー・バイデンが勝ったで」「よっしゃーーーーーっっっ!!!」 ダンナのヴィクトリー・ダンスが始まった。 2020 年11月7日、第46代アメリカ合衆国大統領が決定した。「バイデンが勝利したら、車がクラクション鳴らして大騒ぎになるから、すぐにわかる」 と言って、
第17回 ビッグ3と大統領選
https://big3.com〇嘘ばっかり トランプは、10月22日に行われた大統領選討論会でも嘘をついた。 「おれは、リンカーン大統領を除いては、黒人コミュニティのために過去いちばん貢献している大統領やぞっ!!!」 嘘や。 これは黒人差別に興味がない人でも、わかるよう
第16回 マスクと大統領選
〇ワシントン州ではマスクは義務 「くそっ!マスクがない!!!」 これはダンナが毎日言うセリフだ。 頂いた手作りマスクはすでに10枚を超えている。マスクがないわけではない。洗っていないだけだ。 そして、毎日1枚、必要な分だけを洗うので、翌日になるとやっぱりマ
第15回 アーサーアッシュ・スタジアムでの優勝
〇また撃たれた「また黒人が撃たれたん?」「うん」「・・・どこ?」「キノーシャやで」「・・・ふーん・・・」 8月23日のことだ。寝起きでどんよりしているダンナが、さらにどんよりした。 2020年5月25日、警察官のデレック・チョーヴィンによるジョージ・フロイド氏の
第14回 ロニーおじさんとマジック・サムとモハメッド・アリの徴兵拒否
〇ロニーおじさんの死 「ロニーおじさんが亡くなってん」 とダンナから聞いたのは、今年の5月のはじめだった。 ロニーはダンナのいとこにあたる。けれども、年が離れていたので、彼はロニーのことをアンクル・ロニーと呼ぶ。 子供の頃、このロニーからさんざん暴力
第13回 レコード会社の歴史あれこれ~シル・ジャクソン、アル・グリーンたちの成功~
〇ジミー・ジョンソンの音 数年前のある日、B.L.U.E.S.というクラブの前を通りかかると、中からものすごくファンキーなサウン ドが聞こえてきた。「わーーーーっ!!!カッコええ!!!」 と、迷わず店の中に飛び込んだ。 リード・シンガーはジミー・ジョンソン(Jimmy
第12回 ミリオネア(億万長者)たちのメディア支配
〇大統領のうそ 8月8日のできごとである。「われわれはアフリカ系アメリカ人、アジア系アメリカ人、ヒスパニック系アメリカ人の雇用数において、新記録を更新した!」 と、トランプ大統領が記者会見で発表した。「ウソつけーーーっ!!!」「黒人はほとんど変わってな
第11回 シアトルやシカゴの警察と犯罪
〇シアトルポリスはまとも「やっぱりシアトルのpolice department(警察署)は違うっ!」 と、ダンナがテレビに向かってガッツポーズをした。 これは今から5年ほど前の話。ゴルフクラブを杖替わりに使用していた69歳の黒人男性を逮捕した、女性警察官が解雇されたニュ